
診療方針
2006年12月より、新しいスローガン“Surgery for every need”を掲げました。時代は変化し、患者さまの方を向いた医療は当然のこととして、今や、それ以外の多様なニーズにも応えなくてはいけない時代になってきています。患者さまの専門治療現場での妥当性、安全性、確実性、迅速性の確保をベースとして、高度医療の提供、経済効率の向上、環境負荷の低減、救急医療や災害医療など地域医療ニーズへの対応、等々が求められてきています。私どもは、これら全てのニーズに一つ一つ全力を挙げて応えたい、と考え、このスローガンを掲げました。
ベースの部分は具体的には、①その時代に最も妥当、安全、確実と評価されている手術、治療を提案すること②患者さまの病態のみならず、背景、価値観など個別性を考慮すること③患者さまの十分な病状理解の上で相談して治療方針を決定すること④安全、確実、迅速に治療を遂行するように努力すること⑤患者さまへ全ての情報を公開することであります。
慶應義塾大学外科、北里大学外科、慶応義塾大学救急部と密な人事交流を行っています。
診療内容
最近のトレンド
- 腹腔鏡下手術への積極的な取り組み
胃がんに対する胃切除術、大腸がんに対する結腸・直腸切除術、胆嚢結石症に対する胆嚢摘出術、鼠径ヘルニアに対する根治術、虫垂炎に対する虫垂切除術等を積極的に行っています。鼠径ヘルニアに対するTAPP法はこれまでの累積が100例を超え、また、2010年春から導入した単孔式腹腔鏡下手術は2011年3月までに51例行いました。日本内視鏡外科学会技術認定医を中心に、当科の豊富な経験を生かしてさらに腹腔鏡下手術を発展させ、患者さんの術後疼痛軽減や早期社会復帰に役立ちたいと考えております。
また、産婦人科、泌尿器科と連携して腹腔鏡下手術のカンファレンスを定期的に行い、手術器具や手術手技の共有化、標準化、効率化に取り組んでいます。
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がんに対する集学的治療の推進
がんに対する治療の効果をより高める目的で、当科では手術のみならず化学療法(抗がん剤投与)や放射線療法を併用する集学的治療を積極的に行っています。乳がん、食道がん、胃がんおいては病期に応じて手術前に化学療法を行う場合が増えてきています。当科ではがん治療認定医4名・消化器がん外科治療認定医4名を擁しています。
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外来化学療法の充実
当院の化学療法(抗がん剤投与)は外科医師が長を務める化学療法委員会の管理のもとに行われます。そのうち通院で行う外来化学療法(抗がん剤投与)は外来点滴治療室にて行っています。外来点滴治療室には医師、看護師、薬剤師を配置して安全な化学療法が提供できるよう努めています。また、リクライニングチェアーやベッドを充実させ、患者さんが快適に治療を受けられるよう心がけています。
- 緩和ケアチーム
外科医師が長を務める当院の緩和ケアチームは医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、MSW (medical social worker)、事務職によって構成される多職種混成チームです。それぞれの専門性を生かしてがん患者さんおよび支えるご家族の生活の質(QOL: quality of life)の向上に努めています。
- Hiratsuka Cancer Boardの設置
2010年3月より院内にHiratsuka Cancer Boardを設置して定期的な活動を行っています。がんの診療に携わる各科医師およびその他の職種の専門的知識を有する職員が集まり、症例検討をベースとした討論および勉強の場を設けることで病院全体としてのがん診療体制構築を目指しています。このHiratsuka Cancer Boardにおいても我々外科がリーダー的役割を担っています。
- 手術部位感染症の予防を目指した取り組み
外科手術、特に消化器をあつかう手術においては手術部位感染(SSI: Surgical Site Infection)の発生をいかに少なくするかが治療上の重要な問題となります。手術手技、手術材料、術後創管理におけるSSI対策として行うべきことを細かくマニュアル化し、ICD(インフェクションコントロールドクター)の資格を有する外科医を中心に外科医師全員がこれを順守するとともに、他職種にも指導を徹底してSSI発生を極力少なくする努力を続けています。
- 血管外科の充実
2010年4月より常勤血管外科医による積極的な血管外科治療を開始しております。腹部大動脈瘤などステントグラフトが適応となる動脈疾患、閉塞性動脈硬化症など動脈血流の改善を要する病態、下肢静脈瘤などの静脈疾患、透析にシャントを要する腎不全などがおもな対象となります。手術的治療の枠にとらわれずカテーテル治療の併用駆使からフットケアに至るまでの総合的血管病変管理(total vascular management)により、低侵襲かつ有効な血管病変の治療を行っています。
- 呼吸器外科診療
2011年11月より常勤呼吸器外科医が復活し、積極的な悪性疾患及び気胸・外傷等の良性疾患に対する根治性と低侵襲性の両立を目指した手術を行っています。低侵襲性の実現のために可能な限りの完全胸腔鏡下手術を導入しています。また、診療の質を高めるべく、CTガイド下の生検やリピオドールによる病変のマーキング等において、放射線科と緊密に連携しております。
- 救急・災害医療
当科では疾病、外傷の別を問わず常に緊急手術に対応できる体制を目指しております。救急科との連携を密に行い、迅速な診断の下に適切な手術治療を提供いたします。当院における災害時の医療体制の備えに関して、外科は病院全体の中での必要な役割を分担し、積極的に活動しています。外科では2名の救急科専門医と2名の日本DMAT隊員を擁しています。
主な手術件数(2010.04-2011.03の1年間)
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腫瘍性疾患
消化器がん切除術では食道7例、胃49例(うち腹腔鏡10例)、大腸111例(うち腹腔鏡32例)、肝12例、膵胆道9例を行いました。特に専門的な知識と経験を要する食道外科および肝胆膵外科領域の手術においては日本食道学会認定食道外科専門医および日本肝胆膵外科学会認定高度技能指導医を中心に手術治療を計画、実践しております。また、胃がんに対しては集学的治療の一環として審査腹腔鏡を5例に行い治療方針の決定に役立てています。いずれのがん治療においても学会の示すガイドラインに沿った標準的治療を基に、患者さんごとの背景を考慮して最適と思われる治療を受けていただけるよう努力しております。肝切除は昭和63年からの累計で277例に達しました。肝切除の手術死亡率、肝がん切除例の長期予後も成績が良好です(下記参照)。また、膵頭十二指腸切除の手術死亡率、膵癌切除例の長期予後も良好です(下記参照)。
- 胆石症
胆嚢摘出術は総計71例に行い、うち腹腔下手術は43例でした。総胆管結石症には早期退院を目指した当科オリジナルの開腹ETH-tube法(Hepato-gastroenterology 2004;51:419)を6例に行ったほか、腹腔鏡下手術による低侵襲治療への取り組みを開始しました。
- 腹腔鏡下手術
腹腔鏡下手術は合計172件が施行され、件数は年々増加しています。このうち、お臍の1か所の創で行う単孔式腹腔鏡下手術は51件と急増しました。対象となる疾患も虫垂炎や胆嚢結石症に加えて結腸癌や膵疾患、肝疾患などに広がりつつあります。手術の傷跡がほとんど判らなくなる利点のある単孔式腹腔鏡下手術は難度の高い手術ですが、経験を生かして常に安全な手術を行うことを心がけています。
(トピックス参照)
- ヘルニア根治術
当科で力を入れている疾患で104件の手術があり、うち成人例中の42例では腹腔鏡下手術(TAPP法)を行いました。従来の方法にも増して患者さんの痛みが少なく、回復が早い術式です。ヘルニアの患者さんの術前・術後の外来診察には毎週木曜日午後のヘルニア専門外来(予約制)を活用しています。
- 急性虫垂炎
厳しく適応を見極める姿勢のもとで手術を施行しております。82例に手術を施行し、うち33例が腹腔鏡手術でした。必要に応じて急性期を抗菌薬で改善させた後に待機的に腹腔鏡手術を受けていただく症例もあります。
- 血管疾患に対する手術
血管外科開設後のこの1年間で行った総件数は約200件でした。腹部大動脈瘤に対する腹部ステントグラフト指導医によるステントグラフト内挿術25件、末梢動脈血管に対する手術64件、下肢静脈瘤手術75件、内シャント造設術17件などを含んでいます。
- 麻酔法別内訳
手術総件数924件中、全身麻酔下手術617件、腰椎麻酔下手術53件、局所麻酔(静脈麻酔併用を含む)下手術254件でした。
手術成績と長期予後 (2010.11.30.現在)
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肝切除術(最近12年間)
手術死亡率 1.18% ( 2/ 169)
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肝細胞癌に対する肝切除術 84症例
[参考データ(第18回全国原発性肝癌追跡調査報告(日本肝癌研究会)、2009.11.]
3年生存率 83.0%[69.5%]
5年生存率 69.2%[54.2%]
10年生存率 53.2%[29.0%]
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大腸癌肝転移に対する肝切除術 79症例
[参考データ 大腸癌治療ガイドライン2010.7.]
3年生存率 68.4%[52.8%]
5年生存率 49.2%[39.2%]
結腸癌に限ると58.7%
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膵頭十二指腸切除術(最近12年間)
合併症率 38.0% ( 19/ 50 )
内、膵液瘻 18.0%( 9/ 50)
手術死亡率 2.0% ( 1/ 50 )
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膵頭部癌に対する
膵頭十二指腸切除術 32例
[参考データ:膵癌登録報告2007(日本膵臓学会)]
3年生存率 35.6%[Stage IVa 18.6%, Stage III 42.9%]
5年生存率 28.5%[Stage IVa 11.3%, Stage III 27.7%]
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直腸癌に対する切除術の5年生存率 2007.11.30.現在
[大腸癌治療ガイドライン]
Stage I 96.2%[87ー93%]
Stage II 84.0%[75ー78%]
Stage III 68.4%[61ー70%]
施設認定
日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医修練施設
日本消化器内視鏡学会認定指導施設
日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
救急科専門医指定施設
日本がん治療認定医機構認定研修施設
胸部ステントグラフト実施施設
腹部ステントグラフト実施施設
スタッフ
金井 歳雄
診療部長
兼災害医療企画室長
S55年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会認定高度技能指導医
日本救急医学会認定救急科専門医
日本がん治療認定医機構・暫定教育医、がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
身体障害者福祉法指定医・小腸機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害
日本体育協会公認スポーツドクター
検診マンモグラフィ読影認定医師
JPTEC&ICLSコースインストラクター
日本医師会認定産業医
日本DMAT隊員(統括DMAT)
医学博士
(専門分野)
一般・消化器外科、肝胆膵、災害医療 |
中川 基人
部長
S62年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医
日本食道学会食道外科専門医・食道科認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医
日本胸部外科学会認定指導医
日本救急医学会認定救急科専門医
日本がん治療認定医機構・暫定教育医
消化器がん外科治療認定医
日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
JATECTMインストラクター
東海大学医学部非常勤講師
医学博士
(専門分野)
一般・消化器外科
食道・ヘルニア/腹腔鏡手術 |
永瀬 剛司
主任医長
H7医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医
日本がん治療認定医機構・暫定教育医、がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
検診マンモグラフィ読影認定医師
医学博士
(専門分野)
一般・消化器外科
胃/化学療法/腹腔鏡手術 |
赤津 知孝
主任医長
H7年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本肝臓学会認定肝臓専門医
日本消化器病学会認定消化器病専門医
日本がん治療認定医機構・暫定教育医、がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
身体障害者福祉法指定医・ぼうこう又は直腸機能障害
医学博士
(専門分野)
一般・消化器外科
肝胆膵/腹腔鏡手術 |
今井 俊
医長
H13年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
日本がん治療認定医機構・がん治療認定医
日本大腸肛門病学会専門医
身体障害者福祉法指定医・ぼうこう又は直腸機能障害・小腸機能障害
インフェクションコントロールドクター(ICD)
(専門分野)
一般・消化器外科
大腸/腹腔鏡手術 |
黒田 浩章
医長
H13年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医
日本呼吸器外科学会専門医
(専門分野)
呼吸器外科、胸腔鏡手術 |
藤村 直樹
医長
H15年医師免許取得 |
(資格)
日本外科学会認定外科専門医
日本脈管学会認定脈管専門医
腹部ステントグラフト指導医
胸部ステントグラフト実施医
日本血管外科学会認定血管内治療医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
(専門分野)
一般・消化器外科
血管外科 |
波里 陽介
医師
H19年医師免許取得 |
(専門分野)
一般外科 |
田村 智紀
医師
H20年医師免許取得 |
(専門分野)
一般外科 |
坊岡 英祐
医師
H21年医師免許取得 |
(専門分野)
一般外科 |
鯨井 大
医師
H21年医師免許取得 |
(専門分野)
一般外科 |
由良 昌大
医師
H21年医師免許取得 |
(専門分野)
一般外科 |