ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

平塚市民病院

災害拠点病院 地域医療支援病院 神奈川県がん診療連携指定病院

サイトマップ

文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

0463-32-00150463-32-0015(代表)〒254-0065 神奈川県平塚市南原1-19-1

診療科のご案内

呼吸器外科

呼吸器外科科医長
奥井 将之

診療内容

呼吸器外科科は、肺の腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍または膿胸や気胸などの外科的治療を主に行っています。特に肺癌については呼吸器内科、放射線治療部と連携し、神奈川県がん診療連携指定病院として診療しています。また、胸部CT検査で見つかった肺、気管支、胸壁や縦隔の異常陰影に対して外科的な検査などを行っています。
肺癌は日本人がん死亡者数第1位のがんです。高齢化もあり、80歳以上の高齢者肺癌の手術例も増加しています。高齢の患者さんには併存疾患(肺癌以外の他の病気。肺気腫、間質性肺炎、糖尿病、腎不全、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)を抱えていることが多く、手術において問題になることが少なからずあります。当院では内科、呼吸器内科、循環器内科、神経内科などと連携を行い、総合的に患者さんの術前評価・併存疾患の管理を行い安全に手術ができるよう努めています。

主な診療対象疾患

肺悪性腫瘍:肺癌、転移性肺腫瘍
肺良性疾患:良性腫瘍、気胸、肺嚢胞、血胸、乳び胸
縦隔腫瘍:胸腺腫、胸腺癌、奇形腫、胚細胞性腫瘍、神経原性腫瘍、悪性リンパ腫の診断
胸膜・胸壁疾患:膿胸、腫瘍、骨折、胸膜中皮腫
気道疾患:気管腫瘍、気管・気管支狭窄、気道出血

自然気胸について

肺の一部に脆弱な部分ができ、その部分に穴が開き、肺がしぼんでしまうのが自然気胸です。やせ型の男性に多く見られます。なぜ肺に弱い部分ができてしまうのかについてはまだ解明されていません。外科的治療は、肺の弱くなって穴が開きやすくなっている部分を切除あるいは結紮し、穴があきにくくするというものです。1992年から自動吻合器が普及し気胸に対する胸腔鏡手術はスタンダードな治療法になりました。以前は肺を切って縫合するには開胸が必要でしたので手術の適応は慎重に決められておりました。しかし現在は小さい創2~3箇所により手術を行っており、体への負担は非常に少ないので手術は積極的に行っています。手術をせずに経過を見た場合の再発率は高く半数以上が再発するといわれていますが、手術した場合の再発率は2-10%程度と報告されています。肺の弱い部分がなぜできるか解明されていないので完全に治すというより再発率は少なくするのが手術の目的です。

肺癌の手術治療

肺癌の治療は、小細胞肺癌か非小細胞肺癌かなどの組織診断を行い、病気の進行度(病期診断、Stage分類)を診断して、治療方針を決定します。詳細については他のサイトをご覧ください。
がん情報サービス

肺は、右が上葉、中葉、下葉の3つに、左肺は上葉、下葉の2つに分かれています。さらに18の区域に分かれています。肺癌の手術は、腫瘍がある部分の肺葉を切除しリンパ節郭清(肺門、縦隔のリンパ節を切除します。)を行うのが標準手術とされています。つまり右上葉に肺癌があった場合は“右肺上葉切除 リンパ節郭清”を行います。
実は肺癌に対する標準手術は1960年代に提唱されたものです。最近はCT検査の性能が良くなったため、1960年代には見つけることが出来なかった小さい肺癌も多く見つかるようになりました。そのような小さい肺癌に対しては切除範囲を小さく出来るのではないかという考えがあり、臨床試験が行われています。現在臨床試験に参加していただいた患者さんの経過観察を行っているところです。切除範囲を小さくした施術は肺部分切除や区域切除があります。現在でも、肺機能が悪い患者さんには、切除範囲を小さくした手術も検討したうえで行っております。
以前は大きな創で手術を行っておりましたので肺癌がどこにあっても同じ方法で開胸術を行っておりましたが、現在は胸腔鏡というカメラを併用し小さい創で手術することが多くなりました。当院でも胸腔鏡を使用した小開胸での手術を行っております。

肺異常陰影を指摘された方へ

胸部X線写真やCT検査にて肺に異常陰影が見つかってしまった場合の検査として、まずFDG-PET検査をお勧めしております。
(PET検査は、肺癌という確定診断がついたのちに行われることが多いですが、当科ではCT検査で強く肺癌が疑われる場合は積極的に行っています。)
PET検査は当院ではできません。肺以外の部分に異常がないか確かめる目的と、肺の影の部分の性質を予想するためです。これは検査と治療の計画を立てる上で重要な情報になります。しかしPET検査だけで確定診断をつけることはできません。その影が何であるかを確かめるには、その部分の組織、細胞を採取しなければなりません。それには、おおよそ3つの方法があります。

  1. 気管支鏡検査査
  2. CTガイド下経皮肺針生検
  3. 全身麻酔下での胸腔鏡下生検

気管支鏡の検査で診断がつく可能性が高いと判断した場合は気管支鏡の検査をお勧めいたします。喉と気管の中を麻酔して内視鏡で気管内を観察し、X線透視を併用し、影の部分の細胞を採取します。
CTガイド下経皮肺生検はCTにて腫瘍の部分を確認しながら、皮膚から細い針をさして組織、細胞を採取する検査です。この方法がもっともベストと考えられ場合はお勧めいたします。

肺異常陰影に対する手術方法

2箇所の小さい傷で影の部分の肺を的確に切除いたします。そこで、術中迅速病理診断を行います。通常の病理検査は検体をホルマリンで固定をしてパラフィンに埋包し薄く切って染色し顕微鏡で観察します。通常は数日の時間を要します。術中迅速診断は切除した検体を凍らせて薄く切り(凍結検体)、染色して顕微鏡でみる方法ですが、30分程度で診断することができます。しかし診断の正確さは通常の病理検査より劣ります。
手術中の迅速診断で悪性ではなく炎症性の腫瘤などであれば部分切除で手術は終了です。肺癌と診断された場合そのまま手術治療を行います。基本的には、標準手術である肺葉切除リンパ郭清術を行います。
胸部CT検査にて淡く小さい影は、肺の正常な構造を破壊することなく広がるものがあり、そのような肺癌は転移しないため、その部分だけ切除するだけで十分であるという報告がされています。肺癌の標準術式と、縮小手術である肺部分切除では体にかかる負担が大きく違うため、積極的に縮小手術を考えたいと思っています。しかし、病理学的診断をしっかりとしなければなりませんので、場合によっては、術中迅速診断をせず2期的な手術治療を考える場合もあります。まず、肺部分切除を施行して、凍結検体ではなくホルマリン固定をした検体で病理学的診断をし、必要であれば後日再手術を考えます。肺は一度切除してしまうと再生しません。切除施行すると確実に呼吸機能は低下しますので、2回全身麻酔を行うリスクを考えても慎重に切除範囲を決定したほうが良いと考えています。

肺癌と付き合うことになった方々へ

自宅から遠く離れた病院へ治療を受けに行く方が少なからずいらっしゃいます。私が以前勤めていた病院にも2時間以上かけて通院していた方も多くいました。しかし通院はとても大変なものになります。手術が終わってしまえばもう病院に行かなくていいというわけにはいきません。追加の治療が必要になった場合、治療しながら2時間かけて通院することはとっても大変です。手術後に自宅の近くの病院に移ることも可能ではありますが、現在は病院の間で治療期間の診療情報がすべて円滑に伝わらないかもしれません。治療の途中で病院を替わることはあまりお勧めできません。出来るだけ近くの総合病院でいろいろな分野の専門医や習熟したスタッフがいる病院で治療を受けることをお勧めいたします。
手術の方法についは施設間で多少の違いがあるかもしれませんが、抗ガン剤や分子標的治療薬での肺癌の治療は施設間の違いはそれほどあるものではないと思います。できるだけご自宅の近くで各分野の専門医が集まっていて肺癌以外のこともトータルに診ることのできる病院が一番いいと考えます。私が将来肺癌になったとしたらそのような病院を選ぶと思います。がん治療に特化した病院、癌の治療の専門の医師はたくさん在籍しているけれど、他の分野の専門医がすくない病院では、がんの治療中、心筋梗塞や脳梗塞などになってしまった場合、あわてて他の病院に転院することになります。様々な面ですぐ対応してくれることが可能な病院が安心できるところだと思います。

当科の手術成績(2016年4月~2017年3月)
手術件数 121件
肺癌 52
気胸 肺気胸 27
転移性肺癌 15
前縦隔腫瘍 5
膿胸 3
その他 19
外来診療予定
診療予定
午前 外来診療 手術 外来診療 手術 気管支鏡検査や臨時手術
午後 病棟業務

※月曜日と水曜日の外来診療の受付は8時から15時まで受け付けております。

スタッフ

科医長
H18年卒

奥井 将之

(資格)
医学博士
日本外科学会認定外科専門医
日本呼吸器外科学会認定呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医