当院について
病院長より

地域の急性期医療を担う平塚市民病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。当院の特徴や目指す方向性をご紹介します。
皆さんは急性期医療という言葉をご存じでしょうか。簡単に言うと短期間に集中的に必要となる医療ということができます。救急医療がその代表と言え、生命に関わる急な病気・ケガの患者さんを可能な限り断らずに受け入れます。手術、投薬、カテーテル、内視鏡などを昼夜問わずに実施し、ICUでの集中治療に繋げます。がんの治療もまた急性期医療ですが、当院ではがんの種類、進行度、体力に応じて患者さんの気持ちに寄り沿いながら、多くの専門職が患者さんと一緒になって治療方針を考えます。大人数の専門職員や大掛かりな設備を要する高度な治療が実施可能であることに加え、人格を尊重した幅広い緩和治療を行います。
平塚市の政策と連携して行う小児期及び周産期に必要な医療も当院の特徴の一つです。平塚地域内では、お子さんや妊婦さんが受診できる病院が減少気味ですが、当院は、入院を要する小児や妊婦さんの砦となり、地域の皆さんに安心して過ごしていただけるよう努めます。
以上を含めて、当院で行われる医療の多くの場面では医師、看護師に加えて薬剤師、放射線技師、臨床工学技士、管理栄養士、リハビリテーション技師、臨床検査技師、更に事務職員がチームを形成し、多職種の専門職種が協力しながら患者さんの回復のために必要な協力をしています。
診療にとどまらず、将来の医療の担い手を育てることにも力を入れており、初期臨床研修の場となり、多職種の医療系学生の実習を受け入れ、職員は県内外の医療系学校や病院で教育や指導に当たっています。また、日々の診療から得た貴重な経験を学会や論文で国内外に発信することで社会に貢献します。このような活動は働く者のやりがいを生み出し、職員採用募集への応募者は近年増加傾向で、病院は地域の雇用を生み出す場ともなっています。
昨今は、病院経営の困難さが多くのメディアで取り上げられていますが、国の定める診療報酬制度を含む構造的な要因が絡んでいます。当院も気を抜けない状況にはありますが、我々は地域で必要とされる医療を断らずに提供し続け、併せて徹底したコスト意識を持ちながら進みます。それが健全な病院経営のための正道であると信じるからです。
平塚市が掲げるスローガン「あったかひらつか」は、平塚市民病院にもあてはまるものであり、市民の皆様から安心して任せていただける病院を目指します。引き続き温かい目で見守り、応援をしていただけるよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
令和7年4月1日
病院長 中川 基人
